ITに苦手意識がある人ほど、システム開発やホームページ制作の外注に不安があるかもしれません。

しかし、発注元に必要なのは論理的思考であり、IT知識は必須ではありません。

理想的なのは「小さな仕事」を先行発注して、能力や相性が見極めることです。

ライティング協力:神田龍治

相手の立場で考えることができるか?

外注先の窓口(以下、担当者)と意思疎通が思わしくないと、無意味なトラブルが増えます。

次の4点は初歩的なNG。これができないのは、相手の立場で考えることができない表れです。そのような担当者は、避けることが賢明でしょう。

  1. 発注者が分からない専門用語を使う
  2. 因果関係の説明がわかりにくい
  3. 議事録の提出がない
  4. メールが冗長

なぜなら、システム開発やホームページ制作は、異なる立場で想像すること配慮することが最も大事だからです。

議事録は、認識のズレがないかチェックできるツール。箇条書きでも役割を果たすので、この手間を省くことはプロではありません。

メールが無駄に長いのも、注意信号です。相手の時間をできるだけ奪わない配慮が必要です。

個人力か組織力か

数多の業者から、時間をかけて選定することを強くお勧めします。

私が行ったのは、まず、10社くらいへメールで概要を伝え、仮見積書を発行してもらいました。その中から対応が良かった数社へ訪問して、初回打ち合わせという流れです。業者へ伺うことで得られる情報があります。

なお、信頼できる担当者と出会えても、退社してしまうことは珍しくありません。特にIT業界は人材の出入りが多いように感じます。

そのため、会社としての対応力か、個人の能力か、を見極める必要もあります。

メールのやり取りで、CCに自社の人を入れない担当者、させていない業者は、要注意だと感じます。

理解できるまで質問する

業者に対して「ITに詳しくないから」と、遠慮する発注者に何度か出会いました。

残念ながら、専門用語で煙に巻こうとする担当者はいます。

例えば、家を建てるとき、建築工学を全く知らなくても、質問やリクエストします。もし、そこにトイレは作れない、ということがあれば、理に適った理由を説明されるはずです。

発注先に遠慮することは、損失に繋がります。詳しくないから外注しているわけですから、気を使う必要はありません。

責任を取れる企業か?

個人情報を扱うなど、重要なシステムやホームページ(Webサイト)ほど、社歴のある著名な企業に依頼することをお勧めします。

トラブルの際、看板を架け替えが容易な事業者に、緊張感がなくても不思議はありません。

また、瑕疵担保責任を負うことができる企業体力が、発注先にあることが重要です。

万が一、システム欠陥で損失が発生した場合に、損失補填の支払い能力がある企業規模でなければ責任すら負えません。

その実績はほんと?

業者のホームページに載っている実績は一部だけを請け負っている可能性があります。どのような業務を担当したのか確認しましょう。

その業者の過去の納品先・発注元に、システム使い勝手や業者対応力の評価を聞くことができたら理想的なチェックになります。

見積書のチェックポイント

各々の作業内容、その費用が伝わるか?

各フェーズ(作業単位)ごとに分けて記載されているか?もしくは、作業工程や流れを発注者が理解できるように工夫されているか?

分かりにくい見積書や提案書を作る業者は、能力不足かもしれません。伝える力は、開発でも重要だからです。

システム要件が入っているか?

プログラミング要素がある制作では、システム要件が見積書や提案書に明記されています。

これは専門知識がないと判断できません。そのため、第三者のエンジニアにシステム要件をチェックしてもらうことも検討してみてください。医療でいうセカンドオピニオンと同じです。

アドバイスしてもらうエンジニアはクラウドソーシングなどで見つけられます。ポイントは開発業社と利害関係がない人であることです。

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