色の基礎知識を身につけ、普段から意識していれば、配色が楽しくなると思います。
ファッション誌を見たり、ショップ巡りをしたりすることも、配色デザインを吸収できる機会です。

色の3属性
色は、色相・明度・彩度と3属性で示すことができます。
例えば、デザイン系アプリ《Adobe Illustrator》などは、色決めを3属性から指定できます。
色相とは、色の種類です。色を円状に配置したものが、色相環です。
対局にあるのを“補色”といいます。言い換えれば、一番似ていない色です。
ファッションで使われる「差し色」は、ベース色に対しての補色であることが多いのではないでしょうか。

色相環を踏まえた配色
3つのオブジェクト(ベース・文字・図柄)を、3色でレイアウトしました。
色相環で離れた色を選ぶと、目立ちます(上図左)。
一方、近い3色を選ぶと、落ち着きがでます。ただし、色弱の人には判別できない可能性が高いです。
メイン色が1つの場合、補色系を2色選ぶとメリハリが出ます。

周辺色に影響をうける
隣接の色に影響を受けて、色の明るさや濃さの感じ方が変わります。これを“明度対比”や“彩度対比”と呼びます。
上図の丸は同じ色です。しかし、周囲の色によって明るく感じたり暗く感じたりします。

時間の感覚が変わる
人は時間を実際の時間より、赤色を見ているとも長く感じ、青色を見ていると短く感じる、という実験結果を紹介します。
「時計を持たずに1時間経ったら出てきて」とお願いすると、赤い部屋に入った人は 40から50分ぐらいで出てくるが、青い部屋にいる人は70から80分は出てこなかったそうです。
出典:『マンガでわかる色のおもしろ心理学』ポーポー・ポロダクション:著

配色感覚を学ぶ方法
配色の感覚を磨く場は、日常にたくさんあります。
特に色数が少ない成果物は、参考になります。例えば、駅の案内板・施設マップ・ショーウィンドウなど。
また、図書館で画集を参考にするのも一つの手です。絵画からも配色のヒントを得られます。
コンビニにある同じ商品群で比較するのも面白いです。冬季の缶コーヒーは赤系が多いです。

配色トレーニング
最後に、配色トレーニングの課題を紹介します。
5×5マスに対して、任意の3色の中から一つ選ぶルールです。
テーマを「甘い」と「辛い」など対にして、その印象を与えられるかというトレーニングです(上図参照)。
複数人で行うと違いが刺激になります。