ローカルメディアとは、紙媒体の時代からある「タウン誌」のこと。

最近はネットで公開する地域ネタを扱うWebメディアが増えています。

Webメディア
雑誌のようなホームページ。公式ブログと同義で、オウンドメディアとして運営されることが多い。
オウンドメディア
自前のコンテンツ。多くはネット記事を配信するもので、自社やブランドの認知向上を目的として運営される。

どの都市にも、ローカルメディアは個人ブログを含め、複数あるのではないでしょうか。

この記事は、2017年にリリースした《たまプロ新聞》で得たノウハウを紹介します。そのため、Web媒体づくりの話が中心です。しかし、紙媒体と共通するところもあります。

ローカルメディアを制作・運営しようという人の参考になれば幸いです。

最小限のことから実行する

SNSをはじめてみると、読者のニーズがわかるメリットに気づきました。

地域名で検索して気になるアカウントをフォローの繰り返し。

SNS投稿をスタートして間もなく、飲食店より「取材をしてほしい」とDMが届きました。「まだWebメディアもできていない状況ですが良いのですか?」と返信しましたが、それでもOK、とのこと。

これをきっかけにローカルメディア制作をスタート。

リリース後も取材依頼が続き、意外でした。また、このときSNSの効果を体感します。

撮影業務

運営目的を明確に

自分の場合は「写真を撮って、見てもらう」がローカルメディアをはじめた主目的でした。

リリース後の1年くらいは、「写真はプロが撮影をするから、寄稿してください」で進めました。店舗だけでなく、高校生や大学生も対象にしています。

しかし、コロナをきっかけに、このギブアンドテイクは終えました。

メリットが発生しやすいように

運営して嬉しかったのは、一般撮影できないところで、シャッターを切れることです。これは《たまプロ新聞》の“目的が撮影”だったからのメリット。

大事なのはメリットが発生しやすいコンテンツ企画にすることです。例えば、アルバイト応募数を増やすことを目的にするなど。

なお、店内で無断撮影する運営者や記者がいますが、私有地は許可取りが必要です。素人くさいことは、信用を損ねます。

交流でしか学べないこと

経営や店舗運営している人や学生たちを取材できたこともローカルメディア運営の大きなメリットと感じます。

特に感心したのは、他人との接し方。広報担当者が多いこともありますが、いわゆるコミュニケーション力が高い人が多かったです。

人を知ることは、写真制作やデザインに最も重要なことで、制作業にも役立ちました。

やらないことを決めておく

もちろん交流で不愉快なこともあります。

同じ業界や協力関係で成り立つ業務だとコミュニケーションマナーがほぼ一定ですが、取材で関わる人の背景は多種多様。そのため耳を疑うことをリクエストする人もいます。

ローカルメディア運営するにあたって最も注意すべきは、都合良く使われないこと

また、自尊心を満たそうとしている人とは距離を置くことが良いでしょう。

これらのデメリット回避になるのが、先述の運営目的を明確にすることです。

もうひとつは「やらないことを決めておく」ことです。「〜以上のことは無償で対応しない」など。

記事についても扱わないジャンルは決定しておいた方が良いでしょう。ちなみに《たまプロ新聞》では、掲載しない文章や画像を公開しています。

たまプロ新聞

対象エリアやテーマを絞れば、SEOにも

たまプロ新聞》(当時の名称は、たまプラ新聞)は、たまプラーザ駅から30分圏内を取材対象としました。

ローカルメディアを扱うときは、ある程度エリアを絞った方が、SEO的に有利です。

何かの専門家であるコンテンツを、検索エンジンは評価します。このことについて、Googleが「E-E-A-T」と整理して伝えています。

特に古い記事は、検索エンジンからのアクセスが多いです。

対象エリアは、単純に行政区など、人流を踏まえない決め方はお勧めしません。

想定する対象読者の行動範囲から決めるのが良いでしょう。

さらにテーマを掛け合わせて絞ると、メディアコンセプトが明確になります。例えば、「東横線沿線」と「猫好き」など。

制作運営する時間が少ないほど、コンセプトを絞ることをしないと、多くのアクセスを得るのは難しいです。

ドメイン取得とWordPress

取材を始めてすぐに『たまプロ新聞』にすれば良かったと感じ、2022年に改称しました。しかし、ドメインは変えずに「tamaplaza.news」のままです。

ドメインは、短く、分かりやすいスペルが望ましいです。

なお、トップレベルドメインに「.com」は詐欺サイトで多いです。そのため、新たにドメイン登録するなら「.com」避けたほうが良いと思います。

なお、古くからWebマーケティングを行っているハイブランドも「.com」です。著名な事業者やブランドならば、さほどトップレベルドメインは気にしなく大丈夫でしょう。

これは弊所のケースですが、掲載される怪しい広告をブロックする際、判断しづらいときはトップレベルドメインで決めています。「.co.jp」は法人だけであり、「.jp」も詐欺サイトが少ないからです。

コンテンツシステムはWordPressワードプレス。無料テーマをもとに、カスタマイズをかなり行いました。

多くのレンタルサーバは、WordPressの導入を数クリックで完了させられます。データベースの知識不要なので、コンテンツ企画に注力できます。

ローカルメディアの収益について

ローカルメディアの運営自体で採算をとることは、かなり難しいです。

現在、GoogleアドセンスPV(記事閲覧数)が収益と原則比例します。だから、下品なタイトルや著名人発言のコタツ記事が横行しているわけです。

もし収益を目指すなら、記事に関わる請負や販売など検討されてみてはいかがでしょう。Amazonアソシエイトはお勧めです。

たまプロ新聞》は、Googleアドセンスと提携。また、PR代行や撮影業務も請け負っています。リリース9ヶ月後には、撮影業務を発注していただけました。

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